9月、まだ夏の熱が残る中、山形県へ向かった。アニメオタク的には「おもひでぽろぽろ」の舞台、くらいしかイメージのない県。
以前訪れた時も義弟の畑仕事の手伝いと、温泉とラーメンで終わってしまい、正直「ぼんやり」した印象のままだった。
今回は義弟の結婚式。2泊3日の滞在だったのだが、ここでまさかの人生初の「大失態」を経験することになる。
いざ、腹痛と共に山形へ

行きの時点で私は体調が悪かった、出発してしばらくしてお腹の調子が悪くなり、顔面蒼白。原因は朝飲んだサプリである。
毎朝、飲むことにしているサプリがいくつかあるのだが、その1つは「食後」に飲まなければならないのに、その日の朝は何も食べずに飲んでしまった。
そのせいで胃が荒れてしまったのだ。ただ、それは一時的なもの、乳酸菌飲料などを飲んで事なきを得た。
将棋に支配された町・天童

余談はさておいて。新幹線で約3時間かけて訪れたのは山形県の天童だ。ご存じの方もいるかも知れないが、この街は「将棋の駒」の生産として有名であり、もう街中のいたるところに将棋の駒が点在している。
駅を出ればポストも将棋の駒、タクシーにも将棋の駒、イオンにも将棋の駒、マンホールにも将棋の駒。将棋に支配された町だ。すっかり胃の調子もよくなり、ホテルに着くなりウェルカムドリンクと玉こんにゃくをいただく。さっきまで顔面蒼白になるくらいお腹が痛かった男がビールをかっこむ姿はバカでしか無い。後にあんなことになるともしらず。
夕食時はお酒を嗜むのが私一人しかいないため、酒はなく、夕食後に近所のスーパーで地元の酒を購入した。出羽桜である。すっきりとした日本酒は飲みやすかったが、この日の朝、サプリで胃があれているのにビール、日本酒をかっこんでいる。完全なるフラグである。
山形流結婚式

そして二日目、念の為持ってきていた胃薬を飲み、結婚式当日だ。結婚式自体は非常に楽しく、息子も立派にリングボーイを勤め上げ、その成長に涙腺を刺激されたが、泣いてる場合ではない。
披露宴では大量の食事がでてきた。これは新郎新婦も若干引くレベルであった(笑)
こういった場所での食事はコース形式で色々なものがでてくるが、その一品一品は少なめという印象があった、実際、私達の結婚式では腹がはち切れるほど食べた覚えはない。
しかし、山形は違う。山形はラーメンの消費量が1位らしいのだが、これに関して私は疑問だった。ラーメン屋の数で言えば東京のほうが圧倒的に多いだろう、二郎系など麺が多い所も多い。それすら抜いて1位が山形である。
義弟いわく、山形は何でも多い。ラーメン屋での普通量が大盛りくらいあるそうだ。大食漢な人が多いのかもしれない。そういう地域柄というのもあったのかもしれないが、コース料理なのに1品1品がでかい。
山形牛のすき焼き1つにしても大きめの肉が3枚くらいあり、角煮だなんだと大量だ。ウェディングケーキもあったのだが、ウェディングケーキ自体は大きなものではないのに、一人あたり普通のケーキの2切れ分くらい渡される。ちなみにデザートは別にある(苦笑)
これが山形だ!という洗礼を食らった気分になり、私以外の人も「もう何も食べられないよ」という顔をしている。料理自体は非常に美味しく、足りないよりはいいのかもしれない。しかし、私は大馬鹿なことをした。
飲みまくり

まず、この日、結婚式会場でドリンクが用意されており、そこでカクテルを1杯飲んだ。このカクテルも妙にアルコール度数が高く、アルコールが弱い義妹に飲まないほうがいいと言ったくらいだ。
その状態で披露宴では,、まずシャンパンである。乾杯のシャンパン、ノンアルコールとアルコールありが選べたが、ここでノンアルコールを選ぶような私ではない。
更にテーブルには瓶ビールが黙って置かれる。当然飲むだろうと。しかし、妻の一族は基本的に酒がほとんど飲めない。体質的に飲まない人が多い。
そんな妻の一族を横目に、こういう祝いの場、出された酒は飲む主義の私は飲みまくった。
瓶ビールは自分の前に置かれたものと、妻の前に置かれたものを私が飲んだ。更に注文できるハイボール、ジントニック、ジンバックも飲んでいる。
これくらいの酒なら私の中で許容範囲である。
あいさつ回り

しかし、披露宴という場でありがちなものを私は忘れていた。「あいさつ回り」である。互いの両親が各テーブルを周り、酒を御酌する。ありがちな光景だ。
義弟の妻のご両親が瓶ビールを片手にあいさつ回りを始める。
だが、先程も言った通り、妻の一族は酒を飲めない。
「飲めないんで..」と断りながら、軽く談笑し、乾杯をし、次の人へ。それが連続する。片手には寂しそうに瓶ビールが握られている。そして私の番だ、私など妻の夫という立場であり、この披露宴で1番の部外者といえば部外者だ。
だが、参加した以上、参列者として、そして妻の一族として恥じる行動をしてはいけない。向こうのお父様が私に回ってきたとき、私は割れんばかりに自らのグラスを差し出した。
「私はいただきます!」
そう宣言したときの向こうのお父様の満面の笑みは忘れられない、向こうのお父様はお酒が大好きなようだ。同じ酒飲みとして盃を交わし、私は一気に飲みほした。
だが、忘れてはいけない、向こうのお母様も回っている。
それも、ゴクリと飲み干した。
そして義弟である。義弟も挨拶と酌に回っている。
こちら側で飲めるのは私しかいない。
「俺は飲むよ!」
義弟は笑いながらビールを注いでくれる。可愛いもう一人の弟の笑顔が忘れられない。その代償に想定外のビールがまた1杯、私の腹を満たす。
だが、ここで意味がわからないことが起こる。向こうのお父様が私だけ2回回ってきた。なぜそうなったのか、わからない。
「ぜひ!もう1杯飲んでください!」
ぜひとはなんだろうかと疑問に思いつつも、ここで
「もう飲めません」というのは失礼だ、飲んだ。
飲み過ぎ

ここまで飲んだのは数年ぶりだ。20代の頃は、それこそ朝まで飲んだ記憶もある。今回の披露宴ぐらいの量を1日で飲んだこともあるだろう、ただ、それは何時間もかけてだ。2時間半でここまで飲んだのは初めてかもしれない。
シャンパン1杯、瓶ビール2本、ハイボール1杯、ジントニック1杯、ジンバック1杯、グラスビール4杯。
明らかに飲み過ぎで草も生えない。せめて瓶ビールはやめておけばよかった。後のお酌を考えればジントニックとジンバックはやめておけばよかった。完全なる作戦ミスだ。
想定外のお酌と想定外の2周目、更に想定外の料理の量。前日、胃が荒れていた。
その結果どうなるのか、おわかりいただけると思う。
嘔吐である。
ノックダウン

披露宴の後、完全にダウンしてしまった。私は酔っていても「小」を出せばある程度酒が抜けてリセットされることが多い。披露宴中、そして披露宴の後に2回、トイレに行きアルコールを抜いた気分になっていた。
その状態でホテルの温泉に入り、部屋に戻り寝る。起きたらもうやばいくらいの二日酔いだ。一応夕食会があったのだが、途中でトイレに立ち嘔吐、そこから帰ってきた私の顔色があまりにも悪かったのだろう、妻に部屋に帰っていいよと言われ、部屋に帰って嘔吐である。
大失態だ、自らの若さ、酒の許容量というものを完全に見失い、頭痛と腹痛、嘔吐で苦しむ夜だった。
それでも次の日の朝にはある程度回復したものの、色々と心配をかけてしまった。
酒でミスをするなんて若い頃にもなかった。酒で記憶を飛ばしたとか、泥酔して理由のわからないことをしたというようなことは私にはない。今回が人生で初めての大失態だ。
もう若い頃のようには行かない、自らの老いを感じる3日間だった。
将棋の駒と泥酔と山形牛の街、天童。

結果として山形県の天童市という街の記憶に残ったのは、将棋の駒と泥酔と山形牛である。
山形は山形牛が有名だ、もう朝から晩まで牛肉である(笑)
モーニングビュッフェでもステーキがでてくるという意味不明さもあいまって、今、私の体の10%くらいは山形牛で出来ているかもしれない。
あまり観光する時間もなく、道の駅に行ったくらいだが、天童という街の雰囲気は良かった。道の駅の公園も非常に大きく遊具も豊富で、ホテルの人たちも子どもに対してフレンドリーだ。子育てするにはいい街なのかなという印象を受けた。
しかも涼しい、25度くらいの適温は本当に過ごしやすく、
3時間かけて帰った横浜は湿度の高さと蒸し暑さで嫌になるくらいだった。
天童市は雪自体も豪雪とまでにはならないらしく、いい場所なのかもしれない。
